Q&A

画用液

  • Q1.

    画用液に種類がたくさんあるのはどうしてですか。また、使う順番はあるのですか。

    • A1. 画用液の種類が多いのは、各個人の目的に合わせ、きめ細かく使い分けが出来るようにしているためです。最初から絵具と画用液を一緒にしておけば手間はかかりませんが、いろいろな人のいろいろな要求に応じることができません。それらを全部使う必要はありませんし、使う順番によって沢山作られているわけでもありません。それぞれの画用液の特長を理解して、自分の必要なものを選択して使用してください。
  • Q2.

    リンシードオイルとポピーオイルの使い分けを教えてください。

    • A2. リンシードオイルは乾燥が速く、黄変の程度はやや強いが、丈夫な膜をつくります。ポピーオイルは乾燥が遅く、黄変の程度は少ないが、ややもろい膜をつくります。絵具のバインダーとしては、白には黄変の少ないポピーオイル、色物には塗膜の丈夫なリンシードという使い分けをしますが、画用液としては黄変の程度をとるか、塗膜の丈夫さをとるかで、どちらか一方を選べばよいと思います。
  • Q3.

    ペトロールとテレピンの使い分けを教えてください。

    • A3. テレピンは松脂を蒸留して作られ、古くから使用されてきました。特有の臭気があり、描画に適した蒸発性を持ち、樹脂に対する適度な溶解力があります。ただし、テレピンは日光や空気に晒されると変質しやすいために、長期保管には注意が必要です。また、テレピンには弱い感作性があり、まれに皮膚のかぶれをおこす人がいます。一方、ペトロールは石油を蒸留して得られる揮発性溶剤で、安定性があります。石油蒸留物にはたくさんの種類があり、成分バランスは各絵具メーカーによって異なるため、溶解力や臭いなど微妙な性状の違いがあります。無臭のペトロールや無臭クリーナーは、無臭がゆえに溶解力の強い物質を含んでいないため、溶解力、洗浄力は弱くなります。
  • Q4.

    乾性油と揮発性油を混ぜてオリジナルの画用液をつくりたいと思います。その割合はどのくらいにしたらよいでしょう。

    • A4. 乾性油の濃度は最大で40%くらいとし、揮発性油やその他乾燥促進剤や樹脂を加えたりして調合してください。描画の際には、その濃度のものを最初から最後まで使ってしまうと濃すぎるため、描き出しから中描きにかけては、さらに揮発性溶剤で薄めて使用してください。
  • Q5.

    油つぼに画用液をいれて保管していたら、固まったのはなぜですか。

    • A5. 油つぼというのは、一時的に画用液をいれておくだけの道具で、保存容器ではありません。密閉性もよくありませんので、次第に中身の画用液が固まっていきます。油つぼにはその日使う分だけを入れ、使い終わったら残りはきれいにふき取ってください。
  • Q6.

    テレピンのにおいがきつすぎてダメなのでが、においの少ないものはありますか。

    • A6. テレピンの臭いは取り去ることはできませんので、ペトロールを試してください。ペトロールの石油臭もダメならば、無臭ペトロールを使うと石油臭もほぼしません。ただし、無臭のペトロールは樹脂に対する溶解力が弱いので、ペインティングオイルの種類によってはこれを混ぜるとにごったり分離したりする場合があります。
  • Q7.

    油絵具をかいていると、画用液で手が荒れるのですが、何かいい対処法はありますか。

    • A7. 手が荒れるのは、画用液に含まれる溶剤によって皮膚の油気が抜けるためです。できるだけ画用液が手につかないようにし、使用後は、手を洗いハンドクリーム等で保湿すると良いでしょう。服に画用液をこぼしてそのままにしておいても、脱脂は起こりますので、ただちに着替えてください。
  • Q8.

    油絵具の筆洗液の成分を教えてください。

    • A8. ブラッシクリーナーはペトロールと同じく、石油の蒸留物ですが、ペトロールより溶解力、洗浄力が弱いものを使用しています。クサカベ製品の中では、ブラッシクリーナーデラックスが一番洗浄力、溶解力が強い製品です。
  • Q9.

    油絵具の筆洗液の代用として灯油は使えないでしょうか。

    • A9. 使えないことはありませんが、筆洗液よりも精製度は低いため、洗浄力が弱く、蒸発の遅い成分を含んでいます。洗った筆をよくふきとらないと、蒸発の遅い成分を絵具に取り込むことになります。
  • Q10.

    描き終わった後、筆をブラッシクリーナーに入れっぱなしで放置して大丈夫ですか。

    • A10. 穂先にクセがついてしまいます。さらに長時間放置すると、筆毛の根元に残った絵具カスがかたまったり、金具と軸の隙間にクリーナーが浸透し、金具が外れたり、軸の塗装が剥げたりします。一日の仕事が終わったら、石鹸とお湯で筆をよく洗い、形をととのえて寝かせてしっかり乾燥させます。
  • Q11.

    ブラッシクリーナーに水を入れて使用した方がよいのでしょうか。

    • A11. ブラッシクリーナーに水をいれると、水と油の二層に分離して、絵具の汚れが水の層に分離沈殿するため、上層のクリーナー部分は汚されずに長く使えるということで、しばしばそうした使い方をされます。しかし、水が腐ってきたり、絵具の油分は上層にとけこんでいるため、クリーナーの洗浄力劣化に気がつきにくくなります。筆洗器が鉄製だと、水をいれることで、サビが発生します。水の併用はおすすめできません。
  • Q12.

    汚れにくいブラッシクリーナーは作れませんか。

    • A12. クリーナー液が汚れないということは、筆の汚れが落ちていないということですから、そのようなブラッシクリーナーは残念ながらつくれません。クリーナー液をなるべく汚さないためには、筆についた絵具汚れをボロきれでぬぐい取ってから洗うようにしてください。
  • Q13.

    使い終わったブラッシクリーナーは、どのように処理すればいいですか。

    • A13. 廃クリーナーは、できれば顔料と廃油に分けることが望ましいです。廃クリーナーを静置しておくと、下に顔料の部分が沈みますから、上澄みの廃油部分を別容器に出し、新聞紙等に染み込ませてから燃えるごみとして処理し、残ったヘドロ状の顔料は不燃ゴミにします。ろ紙でこし分けてもよいでしょう。学校で発生する廃油は、引火性の産業廃棄物として、有償処理の対象になります。
  • Q14.

    溶き油が白くにごってきました。使わないほうがよいでしょうか。

    • A14. ダンマル樹脂をつかったペインティングオイルでは、にごり消しに入れてあるアルコールが蒸発するとにごってきます。この場合、少し濃度が高くなりますが使えます。リンシードオイルのような乾性油は、厳冬期に白くにごることがありますが、あたたかい場所に置くと元に戻ります。画用液がドロッと変質していて、にごっている場合は使えません。
  • Q15.

    金属製の缶にはいったテレピンをしばらくぶりに使おうと思ったらサビのような色がついていました。湿気のせいでしょうか。

    • A15. テレピンは空気に触れると酸化し、酸化の過程で「過酸化物」というものができます。この過酸化物によって缶の鉄が腐食され、赤サビがでたのです。画用液は使いかけの状態で金属容器に長く保存してはいけません。
  • Q16.

    油彩画の仕上げニスはかけなければいけないのですか。

    • A16. ニスは必ずしもかけなければいけないという訳ではありませんが、画面の光沢の調整と画面の保護をしてくれます。描きあがった油彩画面にはたいてい光沢の部分ムラがありますが、そこにニスをかけると、画面の光沢が統一されます。また、画面は常に大気中の汚れや画面に有害なガスの影響にさらされています。ニスをかけると大気中の汚れはニスの表面に吸着され、絵画そのものは汚されません。ニス表面が汚れてきたら、ニスの層を溶剤で除去すれば、もとの画面が復活します。さらに、硫化水素や二酸化硫黄のようなガスから画面を隔絶してくれるので、画面の変色劣化を防げます。
  • Q17.

    ニス(画面保護材)によって6カ月以上、絵具を乾かしてから塗らなくてはいけませんが、指触乾燥程度でそのニスを塗るとどうなりますか。

    • A17. 絵具の層がゆっくり乾燥しその体積が変化していくと、上のニス層がその変化に対応できず、ヒビが入ったりします。唯一、指触乾燥した作品に使える保護ニスは「タブロースペシャル」です。
  • Q18.

    作品を展示する直前の指触乾燥程度の作品には、どのニスを塗れば光沢がきれいに出ますか。

    • A18. 指触乾燥していれば「タブロースペシャル」が効果的です。しかし、保護効果が弱いので半年ほど経って絵具がある程度内部まで乾燥したら、表面を柔らかい布などにテレピンをしみ込ませて軽く拭いてから、「タブロー」を塗りなおしてください。
  • Q19.

    エアゾールになった「ルツーセ」を使っているのですが、途中から噴射できなくなりました。不良品でしょうか。

    • A19. ルツーセに含まれる樹脂分が噴射ノズルに詰まったもので、不良ではありません。製品のラベルにも書いてありますが、噴射しおわったらエアゾールを逆さにしてガスをから吹きさせるとノズルに残った液がふきとばされるので詰まることはありません。不注意で詰まらせたノズルは、溶剤で洗ったり細い針先でつつくと開通することがあります。ただしノズルの穴をひろげてしまうと噴射状態が悪くなります。
  • Q20.

    画用液には有害性や危険性を知らせるアイコンが表示されているものがあります。どのくらい有害危険なのでしょうか。また正しい取り扱いかたを教えてください。

    • A20. 製品に記載されている「有害性あり」の表示は、人体へ悪影響を与える恐れがあるという注意喚起です。主に呼吸器、内臓、生殖器等が対象となります。また、環境への影響に関して、適切な処分を行わずに河川等に流出してしまうと、魚類や川辺に生息する生物の生態系に悪影響を及ぼす恐れがあります。画用液の原料である溶剤自体が引火性で、上記のような危険性を有しているため、ほぼ全ての画用液に同様の記載がなされています。当社の場合、これらの注意書きは、GHS(国連が勧告している、化学物質の危険性を世界共通の指標で表すこと)に準じて付けています。使用上の注意点として、基本的に人体に悪影響を及ぼすものではありませんが、使用される際は換気を良く行ってください。油絵具に関しては、原料の大半が顔料と乾性油ですので、故意に体内に取り込むようなことを避けて、廃棄方法をしっかり守って頂ければ、人体への悪影響や環境汚染の心配はありません。
  • Q21.

    画用液の使用期限はありますか。

    • A21. 使用期限は定めていませんが、品質を維持できる期間は、開封前と開封後ではかなりの違いがあります。新品のときは容器内の空気はわずかですが、使うにしたがって空気のしめる容積は大きくなってきます。テレピンのように酸化により劣化する性質のある画用液や、速乾性のペインティングオイルのように空気の影響をうけやすい画用液は、使うにしたがって製品の劣化スピードは早くなります。画用液を買うときは、自分の使う量を考えて、必要以上に大きなサイズのものは避けてください。開封後は早めに使い切ってください。
  • Q22.

    ブラウンシッカチーフ、ホワイトシッカチーフはどのように使い分ければいいですか。

    • A22. ホワイトシッカチーフは、特に塗膜の内部乾燥に効果を発揮し、表面の乾燥は比較的穏やかで、シワ寄りが起きにくいです。一方、ブラウンシッカチーフは乾性油の乾燥をより活発に促し、表面の乾燥はブラウンシッカチーフの方が速くなります。多く使用するとシワ寄りが発生します。
  • Q23.

    タブロースペシャルを塗った後、どのくらいで額に入れてもいいでしょうか。

    • A23. タブロースペシャルは指触乾燥の段階で塗布できますが、絵具の乾燥は続いています。最低半年間は空気の通りが悪くなるような、密閉された額での保存はしないでください。
  • Q24.

    油彩、アクリル共に使用できる保護ニスはありますか。

    • A24. 油彩とアクリルの併用画面であれば、油彩用の保護ニスが使用できます。やはり油彩なら油彩用、アクリルならアクリル用の保護ニスを使用した方が安心です。
  • Q25.

    コールドプレスのリンシードが欲しいです。また使用面で違いはありますか。

    • A25. 現在流通しているリンシードは記載がない限りほとんどが熱処理して精製したものになります。コールドプレスタイプはインターネットなどで手に入れることができるかと思います。コールドプレスは絞りたての純粋なリンシードオイルに近いため、色味も黄味が強く、様々な成分が含まれており、乾燥スピードも若干遅くなる傾向があります。
  • Q26.

    ベネチアテレピンとバルサムは同じものでしょうか。

    • A26. 呼び名が違いますが同じものになります。
  • Q27.

    ダンマルバニスと揮発性油で調合溶き油を作れますか。

    • A27. 樹脂と揮発性油しか含まれていませんから、保護ニスに近いものが出来てしまいます。接着成分の乾性油も入れましょう。
  • Q28.

    ペインティングオイルクイックドライの乾燥を遅くしたいです。

    • A28. スタンドオイルなど乾性油を少量入れると乾燥が遅くなります。
  • Q29.

    油絵でマチエールを使いたいのですが、接着力の良い画材はありますか。

    • A29. 油彩画でマチエールを使う場合は、「超速乾メディウム」または「クイックドライングメディウム」がおすすめです。ジェル状なので扱いやすく練り込んだり、蒔絵でも使用できます。
  • Q30.

    アクリル絵具の上にタブローのニスは使用できますか。画面にアクリル絵具と油絵具とで描いた箇所があり、どちらの保護ニスを使えば良いですか。

    • A30. タブローには少量のアルコールが入っているので一度に多量に塗布しますとアクリル絵具が溶け出してくる可能性があります。画用液はあくまでも油彩用となりますので、一度アクリル絵具の上にタブローを塗布して問題ないか確認してから使用することをおすすめいたします。
  • Q31.

    ペインティングオイルクイックドライが瓶の中で固まってしまいました。薄めたら使えるでしょうか。

    • A31. 一度固まってしまった画用液は残念ながら使用することが出来ません。また、液体がドロドロの状態で完全に固まっていない画用液も、瓶の中で乾燥が始まっていますので、薄めてサラサラに戻せても使用しないでください。思わぬトラブルの原因になります。
  • Q32.

    ブラシクリーナーのアルコール濃度はいくらでしょうか。

    • A32. ブラシクリーナーは石油系溶剤100%でアルコール成分は含まれておりません。
  • Q33.

    固まった筆の油絵具の落とし方を教えてください。

    • A33. リムーバーKやストリッパーを使って固まった絵具は除去できますが、筆も傷めてしまいます。まだリムーバーKを使った方が穏やかですが、なるべくこまめに筆は洗いましょう。
  • Q34.

    無臭クリーナーを絨毯にこぼしてしまいました。発火の危険性はありますか。

    • A34. こぼしてしまった場合、すぐに窓を開けるなどして換気をしてください。臭いを嗅いで溶剤臭がしなければ大丈夫です。無臭クリーナーは100%揮発性溶剤ですので、完全に揮発すれば発火の危険性はありません。
  • Q35.

    ルツーセを保護ニスとして使用できますか。

    • A35. ルツーセは加筆用ニスになります。一時的にツヤは出ますが、保護ニスとしては効果が薄いです。
  • Q36.

    ポピーオイルとリンシードオイルを混合したり、ぺトロールとテレピンを混合して、両者の特徴を合わせた画用液を作りたいのですが混ぜても問題ないでしょうか。

    • A36. 両者の乾性油および揮発性油を混合しても、化学的に変化することはないので問題ありません。ただし、それぞれの良い部分が半減することになります。
  • Q37.

    ブラシクリーナーなどを別の容器に入れて使いたいのですが、おすすめの容器はありますか。

    • A37. 長期保存でしたら、製品の容器にも採用しています塩化ビニル、PET樹脂、ガラス瓶を使用してください。キャップの素材はポリプロピレンを使用しています。制作時など一時的な使用でしたら、ポリエチレンを含むその他プラスチック製の容器でも問題ありません。長い時間クリーナー液が入っていますと、クリーナー液が樹脂を溶かし、容器が白く曇ってきて脆くなります。
  • Q38.

    水性クリーナーを原液で使用すると、3倍希釈よりも洗浄力が増しますか。

    • A38. 原液のままでも洗浄力は3倍希釈の時とさほど変わりはありません。効果が変わらない割に量が早く減りもったいないので、ぜひ3倍に水で薄めてお使いください。原液の場合、手荒れしやすくなるのでご注意ください。
  • Q39.

    一番光沢が強い保護ニスはどれでしょうか。

    • A39. グロッシーバニスが一番光沢が強い保護ニスになります。
  • Q40.

    速乾性を高めるオイルの調合が知りたいです。

    • A40. 乾燥促進剤やアルキド樹脂を配合すると、油の乾燥が速くなります。ただし、多用しすぎるとシワよりや内部の絵具の乾燥不良などのトラブルを招く可能性が高まります。
  • Q41.

    ブラッシクリーナーはぺトロールの代わりに使用できますか。

    • A41. ブラシクリーナーとぺトロールは同じ石油系溶剤ですので使用できますが、ぺトロールは樹脂も溶かすことができるように、強い溶剤を使用しています。
  • Q42.

    ダンマルバニスとタブローは成分が同じようですが、タブローは透明で、ダンマルバニスは濁っています。どう違うのでしょうか。

    • A42. ダンマルバニスとタブローは樹脂の濃度が異なります。ダンマルバニスの方が樹脂濃度が高いです。
  • Q43.

    油彩に金箔を貼りたい場合、何を使えばよいですか。また貼るときのコツを教えてください。

    • A43. 「コーパルペインティングオイル」を使用してください。薄く均等に塗り、少し乾燥して表面がベタベタした状態で、金箔をのせてください。下の油彩画面の凹凸が大きいと、ムラができ、場所によって乾燥時間も異なり、しわ寄りの原因になりますので厚塗りにはご注意ください。
  • Q44.

    半年以上経過した油彩画の仕上げにニスを引いたらはじきが生じました。解決方法を教えてください。

    • A44. テレピンやペトロールなどの揮発性油を柔らかい布等に染み込ませて、画面全体を優しく拭いてからニスを引いくと改善されるかと思います。それでもはじくようでしたら、「ルツーセ」を少量ニスに混ぜてみてください。
  • Q45.

    画用液の破棄方法を教えてください。

    • A45. 容器中の溶剤は、ごみ袋に入れ、新聞紙や布などによく染み込ませ、そこに水を加え発火の危険性を低くした上で燃えるごみとして破棄します。袋を二重にすると漏れなく安心です。作業をする際は、必ず換気をしてください。
  • Q46.

    液体タイプのフキサチーフとエアゾールのフキサチーフの成分は同じですか。

    • A46. 液体タイプのフキサチーフに使用している接着成分はポリビニルブチラールという樹脂で非水溶性なのに対し、エアゾールのフキサチーフに使用しているものは、水溶性のヒドロキシプロピルセルロースになります。
  • Q47.

    できるだけ長く購入当時の状態を保つには、どのように保存したら良いですか。

    • A47. 直射日光や高温多湿な場所を避け、容量が減ってきたら小さい瓶に移し替え、空気の割合を少なくすることで長期間保存することができます。
  • Q48.

    ストリッパーが、少なくなって瓶の中で固まってきました。なにか他の溶剤で薄めて液体状に戻す方法はありますか。

    • A48. 固まりかけのストリッパーはテレピンやペトロールで溶かすことが可能です。しかし、主成分のジクロロメタンが揮発していると思われますので、剥離効果は弱まっていると考えられます。
  • Q49.

    ブラックオイルは単独での使用が良いのでしょうか。また、揮発油で薄めて使用する際には問題がありますか。

    • A49. ブラックオイルの単独使用は、基本的な使用方法の1つです。グレーズなどにおすすめです。揮発性油と混ぜても問題ありませんので、艶の調節や、絵具層に合わせてご利用ください。ごく少量を絵具に混ぜて、薄く重ね塗りする方法がお薦めです。
  • Q50.

    ブラックオイルとマスチックバニスを混ぜて、メギルプを作れますか。

    • A50. 等量のマスチックバニスを混ぜて、若干硬さが出てきます。ただし、長期間保存すると粘性が失われてきますので、都度作るのが良いかと思います。
  • Q51.

    多量の筆洗液が筆についた状態で絵を描いた場合、作品に何らかの影響はありますか。

    • A51. 筆洗油液は、テレピン、ペトロールと同じ揮発性油になります。蒸発して画面には残りませんので、支持体に多くついても筆洗油がきれいであれば特に問題はありません。ただし、筆洗油が汚れている状態ですと、絵具のカスなどが画面に残ってしまいますので、接着力の低下や、予期せぬ不具合が起きる可能性があります。
  • Q52.

    ブラックオイルに一酸化鉛が使われていますが、毒性についてはどのくらいあるのでしょうか。

    • A52. ブラックオイルの原料は、リンシードオイルと一酸化鉛になります。しかし、一酸化鉛はリンシードと反応後、脂肪酸鉛という成分に変化するため、一酸化鉛としての有害性はなくなります。この脂肪酸鉛の有害性に関してのデータはありませんが、鉛化合物を有するものとして、絵具のシルバーホワイトと同様の取り扱いで問題ありません。
  • Q53.

    クリスタルバニスを溶き油として使っても良いでしょうか。

    • A53. クリスタルバニスは溶き油としても使用もできますが、単体での使用は物理的な衝撃や曲げに弱くなりますので、乾性油を混ぜて使用してください。
  • Q54.

    亀裂・剥離を止める良い方法はないでしょうか。画面保護のニスを塗ることで亀裂・剥離を止めることはできますか。

    • A54. 残念ながら、一度亀裂・?離が起きてしまった作品は元に戻す方法がありません。ニスをかければ一見亀裂・?離した部分が固定されて、それ以上の亀裂・?離が食い止められるように思いますが、ニスが乾いた際に作品の画面のテンションが変わり、余計に亀裂・?離がひどくなるケースがあります。メーカーとしては、修復の専門に任せるか、何も手を加えず、気温差がない直射日光を避けた場所で保存することを推奨します。

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