Q&A

技法

  • Q1.

    クロッキーをするのに必要な材料はなんですか。

    • A1. 鉛筆や木炭と紙があればできます。木炭の代わりとして、2Bくらいの柔らかい鉛筆が使いやすいです。用紙はファブリアーノ社の「1264シリーズ」にあるクロッキー専用やドローイングのスケッチブックや、ラフブックなどもお薦めです。
  • Q2.

    油絵を描くときに下地をつくる必要はありますか。

    • A2. 最近の市販キャンバスはすでに下地が施された状態で販売しているのがほとんどですので、その上にわざわざ下地を重ねる必要はありません。発色が悪い、描き心地が良くない、キャンバス目をつぶしたいといった理由で、既製の下塗りに不満がある場合か、有色下地をつくって特長ある発色効果を求める場合のみ、新たに下地の上塗りをする意味があります。
  • Q3.

    暖かい場所で描きたいので、床暖房をつけた部屋で描いてもいいですか。

    • A3. 床暖房の熱が画面に直接影響を与えることは無いので問題ありません。定期的に部屋の換気をして、絵具や画用液が不用意にあたたまりすぎないようにしましょう。また、なるべく画材(絵具や画用液など)を直接床に置くのは避けた方が良いでしょう。
  • Q4.

    油絵具の塗り重ねのタイミングですが、絵具が濡れているうちと乾いてからではそれぞれ堅牢性にどのように影響しますか。

    • A4. 絵具が乾く前に塗り重ねる技法はウェットインウェットと呼ばれています。これは絵具の層と層に隔絶せずに一体化した構造断面となるため、塗膜形成機構は安定に保たれます。この技法はすばやく行われなければならず、漫然と塗り重ねを続けていると表面と内面の乾燥機構にひずみが生じることになります。乾いてから塗り重ねるのは、ウェットオンドライですが、こちらは画用液の配合や塗り重ねる絵具層の厚さによって、重ねるベストタイミングは変化しますし、堅牢性の程度にも影響してきます。理論的には塗膜の硬化にともなう塗膜内部対流が収まったうえで、なおかつ、塗膜表面に活性がある時点で塗り重ねるのがベストになります。対流が中途半端な段階で別の絵具層に覆われ、上の層の硬化が先に進行してしまうと、表面と内面の乾燥機構にひずみができて、シワや亀裂が発生します。一方、硬化がすすんで塗膜表面がワックスのような不活性状態になってしまうと、表面は次に来る絵具の接着を受け入れにくくしてしまいます。
  • Q5.

    「グリザイユ」と「カマイユ」ってなんですか。

    • A5. どちらも単色技法のことをさす言葉です。グリザイユは白黒による無彩単色、カマイユはアンバー、バーントシェンナのような褐色による有彩単色によって描画します。モノクロやセピアの写真のようにモノトーンの画面です。油画の下層描きにこの技法を応用すると、フォルムと色彩に分業された画面構築をすることができます。つまり、グリザイユやカマイユで光と形、空間を表現し、その後で着彩して色彩を表現します。形象と色彩を一度に表現するのはむずかしいものですが、この技法をつかえば、まず色彩にとらわれずに描きこんだ後に、今度は色に集中して描くことができます。
  • Q6.

    乾いた油絵具の上に加筆しようとしたら、絵具がはじかれてしまいます。どうしたらよいでしょうか。

    • A6. 絵具層表面がワックスのようなはじきやすい構造になっているためです。「ルツーセ」を表面に塗ると、乾いた塗膜表面が活性化して絵具を受け付けるようになるでしょう。それでもはじかれるようならば、よほど乾性油分過剰で、もはや加筆は不能です。
  • Q7.

    油彩画面上で絵具をはじかせたいのですが、どうやったらいいですか。

    • A7. たっぷりと水を含ませたアキーラで描くと絵具がはじきます。水分が蒸発するとはじいた状態でしっかりと接着しますので安心してください。
  • Q8.

    コラージュするときの糊は何を使えばいいですか。

    • A8. 何に何を貼り付けるかでかわってきますが、コラージュは接着する物どうしと接着剤自体がじゅうぶんに耐久性のあることと、接着面にはたらく力のバランスがとれていることが必要です。マチエール用のり剤を使用するか、油彩画の場合、「超速乾メディウム」などのゲル状メディウムや「アルキドメディウム」も代用ができます。ただし、石などあまりに重いものは耐えられません。
  • Q9.

    「ミクストメディア」というのは何のことですか。

    • A9. 広義には「総合芸術」と訳されています。絵画技法上のミクストメディアは一作品に異種の技法が用いられることをさします。たとえば版画に手彩色する場合もこれに相当します。
  • Q10.

    マチエールをつけるために、絵具にいろいろな材料を混ぜこんでもいいですか。

    • A10. 市販のマチエール材料を使えば大体安心ですが、洗っていない海砂などを混ぜると、砂の塩分が吸湿して油絵具の塗膜を劣化させたり、アクリルだと粘度調整剤の機能を低下させる場合もあります。多めのマチエール材を混ぜるときは、バインダーを多くして接着力を補ってください。
  • Q11.

    一度描いた作品に新しく作品を描く場合、上から絵具をのせてもよいのでしょうか。剥離剤で下の絵をはがして描いたり、ジェッソでかくしてから描いたりしてもいいですか。

    • A11. 何の前処理も行わずに描き始めることは、描きにくいばかりではなく、絵具の剥離などの障害のもとになりかねません。剥離剤を使っても、古い絵具を完全に取り去ることは不可能ですし、剥離剤の成分も綺麗に取り除かなければなりません。また、キャンバス地も荒れていますから、ジェッソやファンデーション絵具で下地を再塗装しなければいけません。かなりの労力をしいられます。経済的にもあまり効率が得られるものではありませんから、キャンバスの再生はおすすめしません。
  • Q12.

    何年も放置してあった油絵を少し描き足そうかと思うのですが大丈夫ですか。

    • A12. まず、ニス層や画面の汚れを除去します。テレピンかペトロールを「けば」の立たないきれいな布に含ませて、円をかくようにやさしく画面をふきます。布が汚れたらそのたびに布を替え、布に絵具がつくようだったら、ふくのをやめてください。その後、「ルツーセ」を画面に塗ると光沢や色調がよみがえったようになり、加筆しやすくなります。
  • Q13.

    乾燥した油彩の画面を途中まで溶かしてもどしたいのですが、良い方法はありませんか。

    • A13. 描いてそれほど時間のたっていない場合なら、テレピンなどの揮発性溶剤でふき取ることができますが、時間が経って固まったものは剥離剤で落とすしか方法はありません。少しずつ剥離させる場合には「リムーバーK」を使用しますが、想像通りの厚さを剥離させるのは難しいでしょう。
  • Q14.

    描いている時に絵具のツヤが引いてカサカサになることがありますが、何故ですか?ツヤを保つにはどのような溶き油を使えば良いですか。

    • A14. 原因はいくつか考えられますが、多くは揮発性油の多用(乾性油分の不足)にあると思われます。樹脂類やスタンド油などを効果的に使えば、作品にツヤが保てます。最初は揮発性油で、徐々に樹脂や乾性油を加えて使用して下さい。
  • Q15.

    金箔部分の保護ニスには何が適してますか。

    • A15. 油彩画の場合、油彩用の保護ニスが使用できます。水性作品に使用した場合、水を含んだ保護ニスは金箔が錆びてくる可能性がありますので、金箔用の保護ニスを使用してください。
  • Q16.

    油彩で筆跡を残さないようにするにはどうすればよいですか。

    • A16. サンシックンドリンシードオイルやスタンドオイル等、少し粘りのあるオイルを使用すると描きやすいです。筆も柔らかいものを使用するとよいでしょう。
  • Q17.

    キャンバスの目を潰してつるつるにしたいです。どうすれば良いですか。

    • A17. ジェッソを水で薄めて5層ほど塗った後、荒めの紙やすりで表面の凹凸を均一にし、目の細かいやすりで磨くとつるつるの下地が作れます。油性地ならファンデーション油絵具を3層くらい塗って、乾燥させてからやすり掛けも良いでしょう。その際、やすり掛けで飛散する粉は吸い込まないように、換気の良い場所で、粉塵防護マスク等をして作業してください。

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