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絵具全般
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■絵具全般
Q1  絵具の組成について教えてください。
Q2  顔料と染料の違いはなんですか。
Q3  絵具のチューブをみたら、使用顔料についての表示がしてありました。そこに示されている、無機・有機・混成はどのような違いがあるのですか。
Q4  教室の先生がおっしゃる、「染料系の絵具」という意味はなんでしょうか。
Q5  色の名前はどうやって決めるのでしょうか。
Q6  同じ色の名前なのにメーカーによって色が違うのはなぜでしょうか。
Q7  他社の絵具同士を混ぜて使ってよいですか。
Q8  HUE(ヒュー)とかNEO(ネオ)ってなんですか。
Q9  色名についているトランスとはどういう意味ですか。
Q10  絵具は色によって安いものや高いものがあるのはなぜでしょうか。
Q11  安い絵具や安い道具で描くと、良い作品はできませんか。
Q12  安価な中国製と、国産品の絵具のちがいはありますか。
Q13  絵具のチューブに、耐光性とか、堅牢性という表示があります。どういう意味でしょうか。
Q14  絵具には、有害性あり、のマークが表示してあるものがあります。具体的には、どのくらい有害なのでしょうか。また、安全な扱い方を教えてください。
Q15  飼っている犬が、絵具を食べちゃいました。すぐ病院につれていったほうがよいでしょうか。
Q16  絵具の全色塗見本を見ましたが、ほとんど同じ色に見えるものもあります。どうやって使い分けるのですか。
Q17  ライトレッドの着色力はなんであんなに強いのですか。
Q18  絵具には透明色と不透明色があるようですが、どうやって区別しているのですか。
Q19  混ぜたら「にごる色」と「にごらない色」を教えてください。色が汚くならないように混色する方法はありますか。
Q20  肌色を作るには何色と何色をまぜたらよいですか。
Q21  思った色がつくれません。混色のコツを教えてください。
Q22  絵具の三原色を教えてください。
Q23  絵具をチューブからだすと、透明な液体だけ出てくることがありますが、あれはなんですか。
Q24  絵具を自作する材料は手にはいりますか。また、つくったもので作品を描いても問題はありませんか。
Q25  衣服や家具についた絵具を落とす、よい方法はありますか。
Q26  パレット上の使い残した絵具は、どのように処理したらよいでしょう。
Q27  家族に絵具のにおいが臭いといわれます。防臭剤のようなものはないでしょうか。

Q1: 絵具の組成について教えてください。
A: 絵具の基本構造はたいへんシンプルで、顔料とバインダーと呼ばれるものから成っています。顔料とは「水や溶剤に不溶の、粒子性を持った固体」と定義されるもので、絵具として発色する成分となります。日本画では、この顔料自体を絵具と呼ぶ事もあります。バインダーは展色材ともメディウムとも呼ばれる事もありますが、顔料を支持体に定着させる糊材となるものです。
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Q2: 顔料と染料の違いはなんですか。
A: 両方とも、見かけは色のついた粉なのですが、顔料と染料の違いは、水や溶剤に溶けるか溶けないかです。溶けるほうが染料で、溶けないほうが顔料です。よく、絵具を水に溶かすとか言いますが、正しくは水で分散しているのであって、溶かしているのではありません。
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Q3: 絵具のチューブをみたら、使用顔料についての表示がしてありました。そこに示されている無機・有機・混成はどのような違いがあるのですか。
A: 顔料は大きく分類して、無機顔料と有機顔料の二つに分かれます。これは化学物質が無機物と有機物に分類される、化学的慣習に基づいているものです。「混成」というのは、無機顔料と有機顔料の混合でできている絵具をさします。

無機顔料 有機顔料
耐光性 一般に優れている 一般にやや劣る
耐、酸・アルカリ性 劣るものがある 一般に優れている
耐、油・溶剤性 一般に優れている 劣るものがある
着色力・隠蔽力 隠蔽力に優れるものがある 一般に着色力が強く隠蔽力は弱め

耐 光 性 耐光性が低い顔料は強い光によって褪色・変色する。
耐、酸・アルカリ性 耐酸性の弱い顔料は酸性ガスなどの影響で変褪色し、耐アルカリ性の弱い顔料はフレスコ画に使えない。
耐、油・溶剤性 これが弱い顔料でできている油性絵具を塗り重ねると、下色が滲み出してくる事がある
着 色 力 混色の際、一方の色を着色する力の強さ。
隠 蔽 力 塗り重ねの際、下色をおおい隠す力。絵具の透明性に関係がある。
※かつて有機顔料は無機顔料に比べ、劣るものとされてきたきらいがありますが、近年は耐光性や耐溶剤性に優れた高性能の有機顔料も開発されています。

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Q4: 教室の先生がおっしゃる、「染料系の絵具」という意味はなんでしょうか。
A: 厳密に言えば「染料系の絵具」という表現は適切ではありません。こちらで説明したように、顔料と染料の間には明確な区別があるからです。

 ただし、「レーキ顔料」と呼ばれるものがあって、これはもともと溶性の染料に金属原子を結合させることによって不溶化、つまり顔料化したものです。有機顔料に属するものですが、その多くは発色はきれいでも耐光性、耐溶剤性に劣ります。本来はレーキ顔料の別名として、「染料系」と呼ばれていたものが、最近では有機顔料全体を指すこともあるようですが、これは間違いです。本当は優れた性質を持っているのに、有機顔料であるばっかりに、染料系と呼ばれて不当な扱いをされている場合もしばしばあるようです。
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Q5: 色の名前はどうやって決めるのでしょうか。
A: 近年では絵具メーカーが発売する絵具の数も増えてきて、色の名前もそれだけ多くなっています。昔から使われてきた、いわば伝統的な色の名前から、最新のものまで様々です。

昔から使われてきた色の名前は各メーカーほとんど変わりありませんが、色の名前の由来となると、顔料の化学物質によるものであったり、天然鉱物の産地に由来するものであったりといろいろです。

クサカベで出しているプライムレッドなどは、正式な顔料名がジケトピロロピロールレッドという舌を噛みそうな名前です。そのまま絵具の名前にしたのでは、商品としてお客様に覚えてもらえないだろうというので、より覚えやすくてイメージしやすい別名を、メーカーが決めるということになります。
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Q6: 同じ色の名前なのにメーカーによって色が違うのはなぜでしょうか。
A: 顔料自体が、異なるいくつものメーカーから各種のグレードが発売されていて、たとえ同じ化学構造のものであっても、製造法の違いなどによって、わずかに色の違いがあるものがあります。たとえばコバルトブルーなどは、原料の配合バランスや焼成温度によって、その色あいが変化するものです。天然顔料では、産地が違えば色もおのずと変わってくるものです。
 絵具メーカーでは、そうした顔料の中からこれぞと思うものを選び出し、商品化します。

 また、メーカー同士たがいにその特長を差別化しようとして、意識的にすこし違う色に設計してメーカーの個性をつくる場合もあります。ただし、絵具メーカーが個性を出すといっても、その色の名前がもつ一般的なイメージから逸脱するような大胆な差別化はしないのが常識になっています。

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Q7: 他社の絵具同士を混ぜて使ってよいですか。
A: 同じ種類の絵具同士、油絵具と油絵具、水彩と水彩、アクリルとアクリル、といった混合であれば、メーカーは異なっていても基本設計は同じものですから、支障はありません。色の好みなどによって、複数のメーカーの絵具をあわせて使うのは、むしろ自然なことです。他社同士の混合によって、特別な反応がおこり、重大なトラブルを招くことなどありませんから安心してください。

 ただし、絵具の硬さとか、顔料の濃度とか、乾燥の早さなどの絵具としての属性がすこし異なっているもの同士を混ぜる場合には、お互いの属性が互いに影響しあうので、それを充分考慮にいれておくとよいでしょう。

 アクリル絵具と同じような水性絵具で、酢酸ビニル絵具というものがありますが、これとアクリル絵具は同じ水性でも混合できません。

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Q8: HUE(ヒュー)とかNEO(ネオ)ってなんですか
A: HUEは「色調」という意味をもっていますが、わかりやすく言えば、「イミテーション」といった意味にとらえると良いと思います。

ヒューやネオがついていない、もともとの絵具は高価だったり、毒性がある絵具なんです。つまり、ちょっと見の色調だけは似せてあるけれども、安価で無毒の代替物が、ヒューやネオなのです。使っている顔料は全く別の顔料ですから、色調は似ていても、混色したときの色あいや着色力などの属性はかなり違います。ヒューやネオが安価だからといって、質の劣る絵具だというわけでもありません。安価でも性能のすぐれた顔料を使えば、よい絵具ができます。

 ヒューはかつてはチント(TINT)とよばれていました。今でもチントという呼び方をしているメーカーはあります。
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Q9: 色名についているトランスとはどういう意味ですか。
A: Transparentの略で、「透明な」という意味です。透明感が非常に強くて、特に薄塗りの場合に、下に塗った色がきれいに透けて見える効果のある色です。

クサカベでは、ローシェンナ トランスとバーントシェンナ トランスがあります。普通のローシェンナやバーントシェンナと同じ化学的組成をもった顔料なのですが、粒子がたいへん細かく、著しく透明な性質があるので、透明なローシェンナやバーントシェンナという意味で区別しています。

もともとが透明色である場合は、あえてトランスの名をつけていません。本来はそれほど透明でないものに、透明バージョンがある場合のみ「トランス」をつけています。
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Q10: 絵具は色によって安いものや高いものがあるのはなぜでしょうか。
A: その要因は顔料にあります。顔料は一律の値段ではなく、高低差がかなりあります。

希少な原料から作られる顔料や、製造コストの高い顔料は当然高価になりますし、開発コストのかかったものや需給の限られた顔料も高くなります。高い顔料で作った絵具は高くなり、安い顔料で作られたものが安いのは当然です。

顔料の価格は、顔料の優劣に必ずしも一致しません。高い絵具のほうが良い絵具というわけでもないのです。
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Q11: 安い絵具や安い道具で描くと、良い作品はできませんか。
A:

ここでいう「安い」は、「質の悪い」という意味でしょう。こちらでお話した、原料に起因した「安い色」のことではありません。安い色でも、質がよいものであれば問題はありません。

 質の悪い絵具というのは、粗悪な原料を使っていたり、必要以上の体質顔料を使っていたり、製造工程に手を抜いたような絵具をいいます。こうした絵具は、発色に満足がいかなかったり、できあがった作品の保存性に問題があったりと、なにかと歓迎できない不愉快さをもたらします。

道具、特に筆の場合、値段と質は比例する事は多いもので、安かろう悪かろうの筆では思うように描けないこともあります。ただし、当りはずれというものもあるもので、評判の高価な筆がそれほどよくない、安い筆がたまたま使いやすくてひろいものをした、などという事もあります。よい道具にめぐりあったら、大事にながく使うようにしましょう。

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Q12: 安価な中国製と、国産品の絵具のちがいはありますか。
A: たしかについ最近までは、中国製と国産のあいだには、歴然とした品質の差がありました。中国製は使われている顔料の得体もしれず、練りも粗雑、顔料濃度も低く、異物があたりまえのように混入しているなど、油絵具ではお世辞にもほめられたものではありませんでした。

 しかし、近年は急速に品質が向上してきて、国産物に追いつく日もそう遠くないことが予見できます。価格もいつまで安いのかも、気になるところです。

 ヨーロッパブランド品でも、実はmade in chinaであるという実例もあるのです。

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Q13: 絵具のチューブに、耐光性とか、堅牢性という表示があります。どういう意味でしょうか。
A: 絵具や塗料には、外部からのいろいろな刺激を受けた場合に、どれだけその影響を受けないで品質を保てるかという問題があります。それには、耐光性、耐候性、耐溶剤性、耐アルカリ性、耐酸性など、けっこうたくさんの項目があります。

 バインダー自体にも耐光性の強弱はありますが、やはり顔料の耐光性が重要視されます。耐光性は絵具メーカー各社それぞれ独自の表記の方法をとっています。クサカベでは5段階にわけて、星のマークの数で識別表示しています。星の数が多いほど、光で変色しなくなる、とお考えください。なお、水彩絵具の場合は、最高位の耐光性をもつものは、星五つではなく「高耐光性」の文字で表記しています。

  さて、色材には耐光性の他にもいろいろな「耐〜性」があります。これらをひとつひとつ表示するのはたいへんなので、ひとつにまとめ、その傾向をあらわしたのが「堅牢性」です。何に対して堅牢なのかそうでないのかまではわかりませんが、絵具としての信頼性をおおまかに評価する目安になります。

 これらの情報について、各絵具メーカーの発信のしかたはまちまちで、ほとんど表示していないメーカーもあります。統一されない情報は混乱しやすいのですが、規格がないのが現状です。
  これらの情報は、メーカーが持っている知見に基づいて、情報作成の時点で正確であると信じて提供されているものですが、その絶対性や信頼性を保証するものではありません。
  実験によっては情報とやや異なる堅牢性が示される場合もあります。 情報が有効な効果に結びつくためには、使用者も適正な使用方法や、作品の保存方法に気を遣う必要があります。


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Q14: 絵具には、有害性あり、のマークが表示してあるものがあります。具体的には、どのくらい有害なのでしょうか。また、安全な扱い方を教えてください。
A: 有害性とは健康への影響の程度で、その強さの尺度としては急性毒性の強さの程度を参考にするのが、一般的です。急性毒性の最も一般的な尺度はLD50=「半数致死量」で、それは、実験動物の半数を死にいたらしめる投与物質の量のことです。その単位はmg/kg(投与物質量/実験動物の体重)で表されます。そして、その数値が小さいほど毒性は強く、数値が大きいほど毒性は弱くなります。ヨーロッパのEU危険物指令は、物質の急性毒性の程度を次の三つで定義しています。

LD50≦25mg/kg 非常に強い毒性がある物質
LD50 25〜200mg/kg 毒性がある物質
LD50 200〜2000mg/kg 有害性がある物質

 さて、絵具の急性毒性ですが、実は非常に低いのです。カドミウム顔料は一般に毒性のある顔料と考えられていて、絵具のチューブにも有害性があることを示すアイコンが表示されていますが、実際のLD50の値は5000mg/kg以上なのです。つまり、有害性がある物質とはいえません。絵具は有害性の低い物質なのです。これは、顔料は水に不溶の物質であり、体内に吸収されないため、と考えられます。

 では、なぜ有害の表示がしてあるかというと、万一の場合を考えての用心のためです。万一、絵具に欠陥があって吸収性の有害性物質が、健康に重大なダメージを与えた場合、メーカーには損害を賠償しなければならない責任があります。その事前対応策としての表示です。

 したがって、絵具の有害性については実際上、ほとんど無視できるレベルです。取り扱いについては、ごく普通の衛生的配慮、つまり、みだりに体内に摂取しない、作業が終わったら手の汚れを洗い流す、といった程度で充分です。それと、みだりに環境中に排出しないことをこころがければよいでしょう。使い終わった絵具のチューブや絵具カスは、燃えないゴミとして扱ってください。

 さて、油絵具は乾く過程で、ごく微量のガスを出します。この微量の揮発性物質が問題になる特殊なケースがあります。シックハウスの対象物質であるホルムアルデヒドが、ごく微量ですが発生します。いったんシックハウスになってしまった人にとっては、油絵具を描くことはもちろん、油絵を部屋にかけても、つらい症状をひきおこすことが考えられます。住空間が密閉型になり、環境のあちこちにいろいろな化学物質があふれる現代特有の問題です。

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Q15: 飼っている犬が、絵具を食べちゃいました。すぐ病院につれていったほうがよいでしょうか。
A: 心配はありません。絵具の急性毒性は低いですから、あわてなくてだいじょうぶです。消化されなかった顔料は、じきに体外に排泄されるでしょう。

慢性毒性が懸念される絵具として、油絵具のシルバーホワイトがありますが、これは長期にわたって摂取した場合に限ります。ヒトの場合、四週間にわたって、顔料としてのシルバーホワイトを毎日412mg、経口摂取した場合の死亡例がありますが、このような反復摂取は偶然ではおこりえません。
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Q16: 絵具の全色塗見本を見ましたが、ほとんど同じ色に見えるものもあります。どうやって使い分けるのですか。
A:

見ただけではほとんど違いがわからず、実際に使ってみてはじめてその違いに気づく色もあります。何種類かあるブラックなどはその例です。

 絵具には「底色」というものがあります。これは、絵具をごく薄く塗ったとき、白と混合したときに明らかになります。生で塗った色が同じでも、白を加えたトーンが、がらりと違った印象になれば、「底色」が違うということになります。いわば、色の隠し味です。見本で同じ色に見えていても、「底色」はそれぞれ異なっています。

また、「着色力」「隠蔽力」も、見本ではわかりずらく、使ってはじめてわかる色の個性要素です。

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Q17: ライトレッドの着色力はなんであんなに強いのですか。
A: ライトレッドは、もともと非常に着色力の強い酸化鉄です。白でうすめると、上品なピンクになるのですが、その着色力の強さゆえ、使いこなしにくい色です。

こうした色に白を加えるとき、ふつうにパレットに色を出して、後から白を加えると、なかなか目的のトーンにならず、ついつい絵具を使いすぎてしまいます。逆に最初に白を必要量だけしぼり出し、後から色をちょっとずつ混ぜていくと、早く無駄なく目的の色が作れます。
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Q18: 絵具には透明色と不透明色があるようですが、どうやって区別しているのですか。
A: 機械的に計測した隠ぺい力の強さを参考にします。ただし、隠ぺい力の数値と、人間が感じる透明感は一致しないことがあります。フタロシアニングリーンなどは機械で計ると、隠蔽力が強いのですが、感覚的には、あきらかに透明感の強い色です。

 最終的には、人間の感覚を重要視するのです。

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Q19: 混ぜたら「にごる色」と「にごらない色」を教えてください。色が汚くならないように混色する方法はありますか。
A:

「にごる」というのは、彩度が低下するという意味とほぼ同じです。ただし、色彩的な不調和感とでもいう感覚的な要素を多分に含んだ彩度の低下です。混色をすると、たいていは彩度が下がります。補色の要素を含んだ混色では、特にそうです。こうした補色の組合せは、わざと彩度を落とした効果をねらって行われることが多く、いちがいに否定されるものではありません。

 また、白との混色も彩度を落とします。白と黒の混合が無彩灰色であるのに対して、白と有彩色との混合は有彩灰色となります。いき過ぎた白の多用は、明度こそあがりますが、画面全体を灰色の集合とし、メリハリを失うもととなります。しかし白との混色を全く否定することも意味がありません。

 混色自体は色をにごらせも汚くもしません。画面上の色の使い方がきれい汚いを決定します。

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Q20: 肌色を作るには何色と何色をまぜたらよいですか。
A: ヨーロッパの古い文献には、シルバーホワイト+バーミリオン+黄土+焼黄土というような記述があります。現代では白+黄味の赤を基調に、イエローオーカー、ライトレッドあたりで変調させるということになります。

ただし、肌色をベタ一色で塗っても、お面をかぶったようになりますから、「調子」というものをよく表現しないといけません。つまり、「光」による肌色の変調です。

また、古典的技法では、肌色の下にテルベルトの下塗りがほどこされていることがあります。薄い肌色の塗りの下にうっすら透けて見えるテルベルトが、光学的なグレーとなって、リアルな効果をもたらします。現代ではテルベルトのかわりにオキサイドグリーンを使ってもよいでしょう。
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Q21: 思った色がつくれません。混色のコツを教えてください。
A: 混色のノウハウをつづった本は数多く出版されてきました。昔も今も「色」の悩みはつきないようです。ここでは一度は「色」から開放されて絵を描いてみるのもよい方法であることをお伝えしておきます。

 そもそも、混色について悩むときは、モチーフの「固有色」を再現しようとして悩む場合が多いものです。学術的な図鑑の絵では、正確な固有色の再現が必要不可欠ですが、自由な絵画表現では必ずしも実物どおりの色でなくともかまいません。また、固有色を正確に塗っただけでモチーフの表現ができるわけではないのです。ミカンの色を塗っただけではみかんの絵にはなりません。絵画を構築するのは「色彩」だけではなく、「かたち」の表現、「空間」の表現、「光」の表現、いくつかの表現要素のからみあいといえるでしょう。

 描画を形と色にわけて構築していく技法があります。グリザイユとかカマイユと呼ばれる技法です。これなどは、色の呪縛から自由になるよい方法なので、この後の技法に関連したこちらでご紹介しましたので、そちらを参考になさってください。


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Q22: 絵具の三原色を教えてください。
A: 修正マンセルシステムというものがありますが、ここで設定されているのが、マゼンタ・イエロー・シアンの三色です。これらに最も近い測色値をもつ色をクサカベの絵具のなかから選び出し、さらに実際に混色したときに濁りすぎていないか、鮮やかさがひとつだけ飛びぬけていないかなどの配色バランスを考慮にいれてしぼりこんだのが、次の色です。

油絵具
キナクリドンマゼンタ
パーマネントイエローライト
オリエンタルブルー
水彩絵具
マゼンタ
パーマネントイエローライト
モナストラルブルー

 以上はクサカベとしての三原色に近い色です。他のメーカーの色には適用できませんので、各社にお問い合わせください。

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Q23: 絵具をチューブからだすと、透明な液体だけ出てくることがありますが、あれはなんですか。
A: 顔料と分離したバインダーです。油彩ならば練り油、水彩ならばアラビアゴムのメディウムです。分離したバインダーは、絵具と混ぜ合わせても、紙に吸わせて捨ててもどちらでもかまいません。
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Q24: 絵具を自作する材料は手にはいりますか。また、つくったもので作品を描いても問題はありませんか。
A: 顔料やバインダーは各種市販されています。絵具をつくる道具は、ガラスや大理石製でこれも画材店で市販されています。

昔の画匠の工房では、すべて手作りで絵具をつくっていたのですから、ちゃんと作品も描けます。市販の絵具とは顔料濃度や乾燥の具合が違っていたりして面白いと思います。ただし、必要な量の絵具を作るには、それなりの手間と時間が必要です。
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Q25: 衣服や家具についた絵具を落とす、よい方法はありますか。
A: 衣服についた場合、水彩でしたら普通に何回か洗濯をすれば落ちますが、油絵具の場合は完全にもとどおりにすることは、まず無理です。絵具がついて間もないうちに、ただちに石鹸をつけて、もみ洗いすれば、かなりきれいになりますが、繊維の奥にからみついた汚れは残ります。アクリル絵具のように速乾性の絵具ではさらに絶望的です。

 家具の場合、塗装家具ならばただちにふき取ればだいじょうぶです。油絵具ならばブラッシクリーナー液、アクリルならば水を含ませた布でふき取ります。速攻が勝負です。固まってしまった絵具を剥離剤で落とそうとすると、家具の塗装まではがしてしまいますから、いったん固まった絵具については、あきらめなければいけません。白木の家具では、絵具が固まっていなくても、もう落とすことはできません。白木の表面をうすく削るしかありません。


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Q26: パレット上の使い残した絵具は、どのように処理したらよいでしょう。
A: あまった絵具はもったいないので、後日、下塗りなどに使いたくなりますが、画用液などを含んでいるうえに、硬化しかけている絵具はどんなトラブルのもとになるかわかったものではありません。捨てるのが賢明です。絵具を捨てるには、燃えるゴミとして出すよりも、燃えないゴミとして出したほうが、環境にとってベターです。顔料を加熱することによって、どんな有害物質に変化するか予想しがたいからです。

 水彩絵具や日本画の場合には、絵具を排水として流す機会が増します。水銀化合物である朱などは環境への負荷が心配になってきます。顔料としての朱は水溶性の水銀化合物ではないので、直接の汚染にはつながりませんが、環境への排出を管理する必要のある特定物質です。筆洗に残った顔料をペーパータオルなどで濾しわけて処理すれば、排出による環境負荷を最小限にすることができます。


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Q27: 家族に絵具のにおいが臭いといわれます。防臭剤のようなものはないでしょうか。
A: 油絵具は、絵具自体の油のにおいに加え、溶き油に含まれる溶剤のにおいがあります。さらに油絵具は油のにおい以外に、乾燥する過程であらたに有臭物質を発生します。

油絵具の乾燥は化学反応だと述べましたが、反応の際に、におい物質をつくるわけです。溶き油などは、においの少ない製品が売られるようになりましたが、化学反応によって出てくるにおいは止めるわけにはいきません。化学反応を止めれば、絵具が乾くのも止めてしまうからです。

シッカチーフなどで乾燥を早めるほど、このにおい物質はさかんに発生します。しかも発生はかなり長期にわたります。そうなると、室内用の芳香剤や脱臭剤ではおいつきません。

今のところ、いちばん効果がありそうなものが、空気清浄機のフィルターで、タバコのにおいなどを吸着する機能のあるものがあります。現在ではその機能はまだ不完全ですが、住空間をヘルシーに改善することが注目される昨今ですから、いずれ良いものが発売されるようになると思います。
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